トピックス第2回「男女の生活と意識に関する調査」 |
トピックス第1回「男女の生活と意識に関する調査」 |
日本で、ピルが普及しないワケ?! |
ピルはどこまで普及したか 日本でも普及する兆し?! 「ピル」の今日事情 |
■増える低用量ピル服用者
世界に遅れること40年。低用量ピルが1999年6月に承認されてから3年が経とうとしている。今、日本の女性たちはどんなふうにピルを考えているのだろう? 僕たちが2000年4月から開設した『ピルダイヤル』に寄せられた電話相談から、ピルについての最新情報をお届けしよう。
OC情報センター(OCIC)では、2002年1月末現在での低用量ピル服用者を15万人から16万人と推計しているが、その数は昨年と比べて2割から3割増加しているという。低用量ピルが発売された当初、期待されたような利用者の急増はないものの、ここ一年間での服用者数の増加率をみると、ピル普及の兆候といえそうだ。
※思春期、FPホットライン<03-3235-2638>月~金の午前10時~午後4時(祝祭日は休み)
■ピルへの関心が高い10代20代
ピルダイヤル利用者の年齢は20歳から24歳がもっとも多く(32.2%)、20歳代での利用が5割を超えているが、19歳以下の若者たちからの相談も多い(10.1%)。未婚者が全体の73.6%を占めていることから、ピルに対する関心が、性行動の活発な未婚の20歳代前半で高まっているのがわかる。
相談者のプロフィールは、20.9%が現在服用中の者、11.3%が服用希望者であり、01年度から『ピルダイヤル』に緊急避妊相談を加えたこともあり、『その他』が65%と高くなっている。その結果、相談内容を詳細に見てみると、「緊急避妊」に関する相談が53.7%と他を圧倒、ついで「ピル一般」6.4%、「副作用」(4.6%)、「服用方法」3.3%、「避妊効果」3.0%と続いている。
■ピルについて、何が不安なのか?
寄せられた質問は、
「昨日からピルを飲み始めたがピンクのおりものが出て心配(32歳)」
「ピルを飲んで何日目から避妊効果が現れるのか(23歳)」
「ピルは何歳まで飲んでいいか(37歳)」
「28日型のピル、いつから出血が起こるか(48歳)」
「ピル服用中だが出血が起こらなかったので心配(35歳)」
「服用法の説明もなしに投げるようにピルを渡されショックを受けた(23歳)」
「ふくらはぎの痛みや胸に圧迫感を婦人科で相談したら、注意しながら飲むように言われた。
どう注意して飲むのか(38歳)」
「ピルの正確な飲み方を教えて(多数)」
「2シート目に入るときの飲み方は(23歳)」
「ピルによる周期延長の方法は(27歳)」
「時差が起こった場合の飲み方(30歳)」など。
残念ながら、本来、ピルを処方する医療機関での説明がきちんと行われていれば解決する悩みが多いのが現状だ。
恐がりすぎている人が多い「副作用」
ピルの副作用を不安に思っている人は実に多そうだ。ピルダイヤルでも
「わきはらが痛い(22歳)」
「太股が痛い(41歳)」
「ふくらはぎが痛い(多数)」
「足のむくみが気になる(33歳)」
「ピルを飲み始めてから胸の痛みが起こった(37歳)」
などピル服用後の諸症状の訴えが多く、不安になってピルの服用を中止してしまうことも少なくないようだ。
これらは血栓性静脈炎や心筋梗塞が疑われる症状といえなくもないが、過剰な反応とともに自己判断でピルの服用を中止してしまうことは歓迎できない。
ピル開始後1、2ヶ月で服用を中断してしまった女性は、生涯ピルによる避妊に強い拒絶反応を示すことが多いからだ。
ぜひ、副作用を含めてピルのことを正しく理解して、正しく使ってほしいと思う。