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自分は不妊症?不育症?

「不育症」 もしかしたら、不妊症と違って聞きなれない言葉かもしれません。 不育症は、最近になって検査方針や治療方針がある程度整理されてきました。
「不育症治療に関する再評価と新たなる治療法の開発に関する研究 (http://fuiku.jp)」 から、 不育症はどういった症状なのかを簡単にご紹介いたします。

不育の定義

妊娠はするけれども、流産、死産や新生児死亡などを繰り返して結果的に子供を持てない場合、不育症と呼んでいます。
習慣(あるいは反復)流産とほぼ同意語ですが、これらには妊娠22週以降の死産や生後1週間以内の新生児死亡は含まれません。不育症はより広い意味で用いられています。

流産について

妊娠22週未満の胎児が母体から娩出されることを流産と定義しています。 妊娠12週未満の流産を早期流産、妊娠12週以降の流産を後期流産と定義しており、早期流産が全体の約90%を占めます。
流産を3回以上繰り返した場合を、習慣流産といいます。 出産歴がない原発習慣流産と、出産後に流産を繰り返す続発習慣流産があります。
続発習慣流産は赤ちゃんの染色体異常による場合が多く、原因は見つかりにくい傾向にあります。
流産は、妊娠の10~20%の頻度で起こる妊娠最大の合併症です。 この頻度は女性の加齢とともに増加し、40歳代の流産は50%という報告もあります。 妊娠歴のある35~79歳の女性のうち、3回以上の流産は0.9%、2回以上の流産は4.2%で、38%が1回以上の 流産を経験していることが明らかになっています。
最近は、妊娠・出産数が減少した一方で、妊娠女性の高齢化により、流産率は増加しています。 このため正確な不育症数はわかりませんが、年間の妊娠届出数や流産の頻度から考えると、毎年妊娠される方のうち、数万人は不育症の可能性があります。
いずれにしても、不育症は決してめずらしいものではありません。

自分は不妊症?不育症?

一般に自然流産は、全妊娠の10~20%に起こるとされており、特に、初期流産の場合は、月経が遅れて始まったと勘違いし、気づかないことが多くあります。 流産を繰り返していても、医療施設で「たまたま、流産しているだけ」「胎児の染色体異常の場合が多いので、次をがんばりましょう」「流産を繰り返しているけれど、最初に1人子供がいるから異常はないはず」 などと説明される場合があります。 生殖補助医療を主に行っている施設(ART施設)などでは、「卵子の質が悪かったので流産しただけ」と説明を受ける場合もあります。
不妊症と不育症は異なりますので、まずは、受診している医療機関などで、不育症のリスク因子の検査を受けた方が良いかどうかについて、たずねてみると良いでしょう。

参考:反復・習慣流産(いわゆる「不育症」)の相談対応マニュアル

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