Q.1 結婚して半年たちますが妊娠しません。不妊なのでしょうか。
結婚すればすぐ妊娠するとは限りません。現時点ではいわゆる「不妊」の状態ではありません。
不妊症とは、「生殖可能な年齢にある男女が妊娠を希望し、ある一定期間、避妊をせず性生活を行なっているにもかかわらず、妊娠の成立をみない状態」と定義されています。
(*)この「一定期間」については、1年から3年までの説がありますが、日本では二年とするのが一般的のようです。
現在、およそ10組に1組が不妊といわれています。避妊をせずに性生活を行なっていれば、1年以内に80%、2年以内に90%が妊娠する、というデータがあるからです。
しかし一方で、人間は「妊娠しにくい動物」とも言われていて、妊娠を目的とし避妊をせずに性生活を行なっている場合でも、月経周期あたりの妊娠率は20~25%程度です。
特に不妊原因のないカップルでも、避妊をしなければ必ず妊娠するというわけではないのです。
「避妊をやめればすぐにでもできる」と思っている方が多いので、これは少し意外な事実かもしれませんね。
結婚して半年、ということですから、定義上の「不妊」にはあてはまりません。
ただし、女性は年齢とともに妊娠率が下がっていく傾向があるようです(Q43を参照)。
また、何か婦人科系の病気がある場合(子宮内膜症、子宮筋腫など)、それが原因で妊娠しにくくなっていることもあるかもしれません。
もちろん個人差もありますので、そのような方でも自然妊娠が望めないとは限りません。妊娠・出産に関しては、非常に不確定要素が多く、なかなか思い通りにはいかないというのが現状なのです。
ご自身や周囲の状況なども考慮に入れて、パートナーとも話し合いながら、今後のことを少しずつ考えていけるといいですね。
*(日本産科婦人科学会編産科婦人科用語集・用語解説集改訂新版)