「男女の生活と意識に関する調査」リポート第2回

トピックス第2回「男女の生活と意識に関する調査」

■性に関する情報は、とどいているか

今回は「男女の生活と意識に関する調査」から、特に性に関する「情報」につい考えていきたいと思う。
　調査によれば、性交開始年齢が遅い人たちは、親とよく話をすることや避妊に積極的なのだが、低用量ピルについて「あまり知らない」男性が多く、男女ともに「緊急避妊法」「モーニングアフターピル」「性交後避妊」などの言葉を聞いたことがない人が多い。逆に、性交開始年齢の早い人は、男性も低用量ピルについて「よく知っている」、「緊急避妊法」「モーニングアフターピル」「性交後避妊」などの言葉を「聞いたことがある」人が多いが、避妊には積極的ではない。断片的な情報が氾濫しているということだろうか。

■親世代は、子どもの性をどう考えているのだろう

男女ともに、セックスをいつから始めるかは「本人の自由」（男性41.6%、女性34.1%）を親子ともに挙げている。これは、あたかもモノわかりのよい親子の意見とも言えなくはないが、親子間でのコミュニケーションを図ることが面倒なので「適当に」という投げやりの姿も見える。
　年齢で比較すると、男性では、「経済的に親から自立してから」という意見が30歳以上に多く、特に「45歳以上」の親世代では30％を超えている。その一方で「中学を卒業してから」が「20歳未満」、「20歳～24歳」と高く、「いつから開始するかは本人の自由」が「29歳以下」で高率であることなど、親の世代は「子ども」を思い、若い世代は「自分の行動の正当性」を主張しているようで興味深い。女性についても同様な傾向が認められた。

■性や避妊方法の情報は、どこから?

「性や避妊法などに関する情報源」は、男性では「友人」と「マスコミ」が圧倒しており、次いで「教師、学校の授業」となっている。女性の場合、「教師、学校の授業」が42.8%、「マスコミ」43.3%、「友人」41.6%と三者が拮抗している。特に「教師、学校の授業」を挙げる回答者は年齢が下がるにつれ高いという結果だ。「若い世代での「教師、学校の授業」への期待と影響が高いことがわかり、今後さらに充実した性教育が授業などを通して実施されていくことが期待される。ちなみに「45歳以上」の男女差は、「月経準備教育」が女性単独に行われていた名残なのだろう。これからも、学校での性教育が大きな影響を及ぼすことがうかがえる。

■中学卒業までには持っていたい「性の知識」

「性に関する事柄を一般に何歳くらいの時に知るべきか」という問いには、項目によって、多少のばらつきはあるものの、中学卒業までには「性」に関する教育は済ませておきたいという意見が大半を占めている。以下、割合が最大を示した年齢についてのみ紹介しよう。

「男女の心と身体の違い」	（男性　10～12歳、女性　10～12歳）
「二次性徴など身体のしくみ」	（男性　10～12歳、女性　10～12歳）
「受精、妊娠、出産のしくみ」	（男性　10～12歳、女性　10～12歳）
「避妊法」	（男性　13～15歳、女性　13～15歳）
「人工妊娠中絶」	（男性　13～15歳、女性　13～15歳）
「エイズとその予防」	（男性　13～15歳、女性　13～15歳）
「エイズ以外の性感染症」	（男性　13～15歳、女性　13～15歳）
「コンドーム使い方」	（男性　13～15歳、女性　13～15歳）
「多様な性のあり方」	（男性　13～15歳、女性　13～15歳）
「性的被害の対処法」	（男性　13～15歳、女性　13～15歳）
「男女間の平等や助け合い」	（男性　13～15歳、女性　13～15歳）
「結婚」	（男性　13～15歳、女性　16～18歳）
「離婚」	（男性　13～15歳、女性　13～18歳）
「男女間の平等や助け合い」	（男性　10～12歳、女性　10～12歳）
「性に関する倫理や道徳」	（男性　13～15歳、女性　13～15歳）

特に、「男女の心と身体の違い」「人とのコミュニケーション」「男女間の平等や助け合い」などは9歳までの早い時期に、「二次性徴など身体のしくみ」や「受精、妊娠、出産のしくみ」、「男女間の平等や助け合い」などは15歳までに知るべきと考える人が多い。低年齢のうちから、年齢に合わせた性に関する正しい情報を提供すること、そして、それに基づいて行動できるようにリードしていく必要がある。

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