キャリアアップしたい女性にこそ、避妊が必要。
女性が一生の間に産む子ども数が1.5人を割り込んでいる理由は、産む、産まないは個人の問題だとの意識をもつ女性が増え、また住宅事情や女性の労働環境、子育て支援体制の不備など安心して子どもを産み育てられる社会環境が整備されているとはいえないからだろう。
ところが、社会進出が加速し、自立した女性が増えているのに、性の場面になると急に大和撫子に大変身し、避妊を男性任せにしている場合も多い。働く女性にこそ、自分の思い通りに仕事や勉学を続けて行くためのコントロールとしても、主体的な避妊を考えてほしい。
「今は」妊娠したくない場合、一番効果的な避妊法は?
女性が主導権を握って避妊できるのはやっぱりピル。次に、パートナーに理解があり、確実に正しく使用できるならコンドーム、プラス緊急避妊法といえる。 ピルは、最も確実で誤りなく飲めばほぼ100%の避妊効果があるだけでなく、月経不順や月経痛に効果がある。月経にまつわるトラブルに負けないで、重要な仕事をきちんとやり遂げたい女性にとって、避妊目的以上にピルはうれしいものかもしれないし、卵巣ガンの発生も防止するなどの働きもある。ピルの副作用を超える利点にも目を向けて選択してほしい。
「いつか」産みたいと思ったときに、産めるように。
妊娠する性を持つ女性にとっては、産むための医療も、産まないための医療も、ともに必要だ。日本では、現在ほぼ安全な中絶手術が受けられるということを、知っておいていいと思う。
重要なことは、「いつか」産みたいと思ったときに産めるように、心や体を傷つけず、健康に守っていくこと。妊娠するか、しないかを決めること。妊娠したくないならば、避妊を行うこと。自分のために人生の選択をしよう。
妊孕性を損なわない避妊法がBEST
避妊の理想条件とは、避妊効果が確実、使い方が簡単で長く使える、経費が安い、性感を損なわない、害がなく仮に妊娠しても胎児に悪影響が及ばない、女性が主体的に行える、そして妊娠が可能で胎内に子を宿す能力、妊孕性を損なわないことが大切。残念ながら、これらをすべて満たす避妊法はない。
女性の体を傷つけない、副作用がないという点ではコンドームが考えられるが、避妊効果は不確実なので、妊娠して中絶を選択し、結果的に不妊原因となる場合もある。こうした意味からも、妊孕性を損なわない避妊法とは、確実に避妊できる避妊法と言うことができる。