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中絶を選択された方へ

現在の中絶の現状について

中絶を選択された方へ

10代、40代で妊娠した女性の約7割が、中絶するというデータがある。
既婚女性の78%がコンドームを避妊法として採用しながら4人に1人が中絶経験をもち、このうちの4割は複数回に及ぶ(毎日新聞調査)という。既婚女性の場合、中絶の理由は期待しない妊娠、健康上の理由、職業上の問題など。未婚女性の場合は、こうした事情に加えて結婚前の妊娠だからという理由が加わる。10代、40代で妊娠した女性の約7割が、中絶するというデータもあり、避妊・家族計画の重要性がまたまだ認識されていないといえるだろう。

コンドームをつけて、といえない女のコたち

どんなに避妊に気をつけたつもりでも、絶対なんてない。なぜ避妊に失敗してしまったのか、原因をしっかり究明し、かつ反省してほしい。避妊法の選び方に間違いはなかったか、正しく実行できていたか、男性任せにしていなかったか。今までの方法に問題が大きいとしたら、迷わずもっと確実なピルを選ぼう。副作用が気になるとしても、将来、他の避妊法に変えることは可能だ。今は望まない妊娠を繰り返さないことを最優先しなくては。

産むことだけが美徳ではない

わが国では、生命尊重の名のもとに、産むことを美徳と考える風潮が根強い。しかし、どんな状況におかれようと、絶対にあってほしくないのは、望まない出産をすることだ。自分の意志を曲げて、「産めばなんとかなるさ」などという無責任な姿勢で子を産むことだけは避けてほしい。
妊娠する性をもつ女性にとって「産む」ことも「産まない」ことも重みはイコール。どちらを選択して生きていくかは一人一人の人生の問題。決して罪悪なんかじゃない。大切なのは、自分で責任を果たすこと。そして二度と失敗を繰り返さないことだ。

中絶は人生における一つの選択

中絶は確かに望ましいことではないけれど、決めたからには後悔したり、自分を責めることはやめよう。人生は失敗の繰り返しなんだから、それをバネに前へ突き進む勇気が必要だ。
一番心配なのは、十分な納得と合意のもとに中絶ができるかどうかだ。「産みたかったのに産めなかった」では悔やまれて仕方ないだろう。今自分の置かれている環境や立場を考えたら、これがベストの選択といえるような中絶であるように。そして中絶の選択をしたあなたに対して、彼がよき理解者としてあなたを励まし続けられるパートナーであることを信じたい。

一番大切なのは「二度と繰り返さないこと」

二度と繰り返さないためには、いいかげんな避妊をしないこと。避妊効果が確実なピルなどを使用してほしい。コンドームを使うならば殺精子剤を必ず併用し、細心の注意を払うこと。ペッサリーはサイズのチェックをしておく。いずれにしても手術後の検診時に医師に、ピルを含めて避妊について相談しよう。また、たとえ回復が順調でも月経が再来するまでは、セックスは絶対お休みすること。無茶をすれば出血したり、細菌感染したり、大きなトラブルが起こる。それに月経があるということは、その前に排卵があるってことだ。万が一また妊娠すれば、今度は本当に取り返しがつかないということを忘れないでほしい。

万が一「危ない!」と思ったことがあったら、緊急避妊法も一つの選択。

緊急避妊は、性交渉に際して避妊できなかった場合に、事後に避妊の処置をとるもの。受精卵が卵管を通って子宮内に着床するまで通常6、7日かかるので、この間に錠剤の経口避妊薬ピルを多量に服用したり、銅で覆った効果の高い子宮内避妊具IUDを装着したりして、受精卵を子宮に着床しにくくする仕組みだ。ピルなら性交渉後3日以内、IUDは5日以内に実施する必要がある。
9割に効果があり、掻爬術を伴う中絶に比べれば母胎に与えるダメージは少ないから、緊急避妊という手段があることも知っておいてほしい。

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