Q.28 男性不妊で治療していますが、夫に「つらい」と言えず、治療の話もできなくなりました。
夫に対する思いやりがあるからこそ、言えないことを悩まれるのですね。でも、「つらい」と思う気持ちを否定する必要はありません。
たとえ夫に原因がある場合でも、実際に治療に通うのは女性が中心。
通院にかかる時間、服薬、注射、副作用への心配、医療者とのやり取り…圧倒的に女性の側が負担を強いられていますね。
そうしたさまざまな負担をつらいと感じているのに、それを言ったら「夫が気にする、落ち込むかもしれない」と彼の気持ちも思いやって、直接言っては申し訳ないと思っているのでは?
ご相談からは、夫に対する優しい気持ちを感じ取ることができます。
だからこそ、つらいですね。自分の気持ちを話したい・いや話せない、不妊治療の相談をしたい・いやできない、という葛藤に苦しんでしまうと思います。
面と向かってつらいと打ち明けないまでも、治療についてありのままを話し合う時間は持てるといいですね。
「原因がどちらにあっても、私たち二人の問題だと私は受けとめている。だから何も話し合えないのはさびしい。
あなた一人で悩んだり、責任を感じたりしないで、私も一緒に悩んだり、治療について話し合っていきたい」と伝えたという人もいました。
また、「これから私が話すことは、けっしてあなたを責めることではない。それを十分わかった上で、ただ聞いてほしい」と前置きして、妊娠できなかったつらさを話した人もいました。
すると夫も「実は自分も…」と打ち明けてくれたので、とてもうれしかったそうです。
不妊原因を指摘されたばかりの頃は、男性もショックを受け、悩むことが多いのですが、やがて少しずつ気持ちが落ち着いてくるものです。
休日などのゆとりのある時間に、自分の気持ちを素直に彼に伝えてみてはいかがでしょうか。
様子をみて少しずつでもいいのです。「つらい」と口に出さなくても、何か夫が感じとってくれるかもしれません。